離婚と持ち家ブログ㉓
2026/08/13
慰謝料や養育費の代わりに「家」を渡すことはできる?
離婚協議の中で、「夫に慰謝料や養育費を払う現金がないから、代わりに今住んでいるマイホームを妻に譲りたい」というケース(これを代物弁済(だいぶつべんさい)と呼びます)が話し合われることがあります。
結論から言うと、慰謝料や養育費の代わりに家を譲ること自体は可能ですが、大きなリスクと注意点が伴います。
・住宅ローンが残っている場合は「銀行の許可」が必要
最も注意すべきは、家に住宅ローンが残っている場合です。 家を夫から妻へ譲る(名義変更する)には、お金を貸している銀行の承諾が絶対に必要です。しかし、銀行は「ローンの契約者(夫)」と「家の所有者(妻)」が異なる状態を極端に嫌うため、名義変更を認めてくれないケースがほとんどです。 無断で名義変更をすると、契約違反としてローンの一括返済を求められる危険があります。
・贈与税や不動産取得税などの「税金」に注意
通常、離婚による「適正な範囲内の財産分与」であれば、不動産を受け取っても贈与税はかかりません。 しかし、「養育費の一括払い」や「高額な慰謝料」として不動産を受け取る場合、その価値が高すぎると税務署から「実質的な贈与」とみなされ、多額の贈与税が課せられる可能性があります。
・家を維持できるかのシミュレーションが不可欠
慰謝料代わりに家をもらえたとしても、毎年の「固定資産税」や将来の「修繕費」、マンションであれば「管理費・修繕積立金」は住んでいる妻が払っていくことになります。 現金をもらうのと違い、家は「維持費がかかる資産」であることを忘れてはいけません。
【家をもらうべきか、売って現金で分けるべきか?】 「慰謝料の代わりに家をもらうという話が出ているが、損をしないか不安」という方は、一度立ち止まって不動産のプロにご相談ください。家の正確な価値を査定し、もらった場合と売却した場合のメリット・デメリットを比較して最適なアドバイスをいたします。