信託の解説2㉒
2026/09/25
遺言書があれば家族信託は不要?両者の役割の違いと「併用」で実現する完璧な生前対策
生前対策の代表格である「遺言書」。「うちの親はすでに遺言書を作ってくれているから、家族信託までは必要ないのでは?」と考えている方は少なくありません。
しかし、「遺言書」と「家族信託」は役割が全く異なるため、遺言書だけではカバーできないリスクが存在します。
決定的な違いは、「いつ効果を発揮するか」です。
遺言書:親御様が「亡くなった後」に財産を誰に引き継ぐかを決めるもの。(生前の認知症対策や財産管理には効力がありません)
家族信託:親御様が「生存している間」の認知症対策・不動産管理・売却をスムーズにし、さらに「死亡した後」の引き継ぎまでカバーできるもの。
つまり、どれだけ完璧な遺言書があっても、親御様が生前認知症になって実家が凍結してしまえば、施設費用を作るための不動産売却はできません。遺言書は親が存命中の資産凍結を防ぐツールではないのです。
そこで今注目されているのが、「家族信託」と「遺言書」の併用です。信託財産に入れる不動産は信託契約で管理・処分を柔軟にし、信託に入れない預貯金やその他の財産は遺言書で遺言内容を指定しておくことで、生前から死後まで漏れのない完璧な対策が可能になります。
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